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掲載日:2010年4月1日

オンサイト型RPFエネルギーシステムの技術開発

事業名:地球環境保全関係産業技術開発促進事業(経済産業省補助事業)

研究開発テーマ:オンサイト型RPFエネルギーシステムの技術開発

資源循環型社会の構築がすすめられる中で、各企業とも資源有効利用に取り組む指針を立てているが、その発生量はまちまちであり、リサイクル設備導入もスケールメリットが無いため採算が取れず足踏みしているのが現状である。オンサイトでRPFの製造及びその熱エネルギー回収までを行う、自社工場内完結型のリサイクルシステムの構築と本システムの汎用化技術の開発を行うことを目標とし、研究開発を実施した。

オンサイト型RPF装置の開発を行うため機器選定、レイアウト、設備設計、製作を目標に掲げ、各機器を立体的に配置し、占有スペースを最小限としユニット化によりシンプルな設備を開発した。さらに、各ユニットは最小限の分解にて、公道走行が可能な大きさとし、移設設置を可能にした。

機械装置能力は、低水分原料の場合計画・目標時に設定した能力を十分に満たしたが、高水分原料が能力確保の妨げとなり検討が必要である。低水分原料の場合、造粒機ダイφ8×90mmが最適であり、この条件時では大きな問題も無く、安定したRPF製造運転が可能なことを確認した。

RPF温水ボイラーを蒸気ボイラーの給水に利用したところ、30L/hrの重油削減が見込まれており、CO2削減に資する研究である。

研究期間:平成14年~

研究参加企業:井村屋製菓(株)、(株)クボタ

概要

平成14年度研究成果報告会での評価/質疑応答

小林(猛)委員
RPF装置は、大型のものはすでに事例がある一方で、小型のRPFを作るのはそれはそれで難しい点もあるかもしれないが、一番の問題点は、オンサイトでやると設備費がかかり、それに対してどれだけエネルギー回収ができるのかという経済効果の問題であると思う。ところでボイラーの排ガスは問題ないか?オンサイトにした時に設備は小さくなるが、排ガス設備等を追加することによって、設備が大型化し、オンサイトでやることのメリットがなくなるのでは?

研究参加企業
経済性については、今後検証したいと考えている。オンサイトのメリットは輸送工程が省けることが一番のメリット、また、排ガス(ダイオキシン等)の問題だが、大規模なプラントでも、塩化ビニルやサラン樹脂等は集めてから選別するなどの手間がかかる。オンサイトの場合、発生量も限られるのでダイオキシン発生の原因となる塩素を含む原料はあらかじめ除くことができ、人、機械の力を大型の装置ほど必要としないので、それもオンサイトのメリットと考える。

山根委員
廃プラスチックのリサイクルの観点から言うと、本技術は熱回収だと思うが、一工場から発生するものなので、家庭からのものにくらべると、非常に組成がはっきりしていると思う。発表では、ポリエチレンが20%の時が一番効率が良いということであったが、実際に工場から出てくるプラスチックはどういうものがどれだけ出てくるかは調べてあるのか?

研究参加企業
今後の課題であるが、ポリスチレン、ポリプロピレン等は季節変動がある。ポリエチレンは年間均一に発生するが、今回の報告内容は、ポリスチレン、ポリプロピレンの変動にも対応できたというものである。

山根委員
ダイオキシンの問題を考えたら、最初から、工場で塩化ビニルは使わないということを考えた方が良いのでは?

研究参加企業
今回の設備では、ラップ等のサラン樹脂はこの設備に入れないようにしている。サラン樹脂に代わるものの検討も並行して社内で進めている。

原口委員
お菓子の井村屋製菓でこのような技術開発を実施することは面白い。今後、資源の観点から考えると、廃棄物はケミカルリサイクルの方向に進む可能性がかなりあると思うが、そうなるとRPFの原料を確保できるかが問題になってくると思う。原料の供給(工場からの排出量)の見通しはどうなのか?

研究参加企業
原料はあくまでも工場からのゴミなので減らさなければいけないと考えている。ご指摘のとおり、原料の組成が一定していれば、ポリプロピレンはそれだけに分別し、ポリプロピレンに戻すというのが今後の最適なリサイクルだと思う。ただ、汎用性ということを考えると、そこまでの選別設備を設けるのは難しい。オンサイトで行うためにはRPFという形で熱回収を行っていくことがベストではないが、ベターと考えている。

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