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掲載日:2010年4月1日

熔融飛灰等有害灰類の無害化および資源化技術の開発

事業名:産業公害防止技術開発事業(経済産業省補助事業)

研究開発テーマ:熔融飛灰等有害灰類の無害化および資源化技術の開発

特別管理有害廃棄物に指定されている熔融炉飛灰等の多くは、キレート処理やセメント固化などにより鉛等重金属の無害化処理後埋め立てられている。しかしこれらは言わば簡易無害化技術である。本技術開発は、高度無害化かつ残渣(焼成ペレット)の有効活用が可能な新しい熔融飛灰処理技術の開発を行うものであり、2003年8月に承認を受け開発に着手した。

本年度は、実証試験設備の詳細仕様作成、設計および建設が主な開発内容であった。これまでの焼却飛灰技術開発の実績を踏まえ、混練設備導入、炉内温度測定用リモートセンサーやキルン内リフターの設置等を行った。設備完成後直ちに従来使用していた焼却飛灰を用いた試運転を行い、計画通りの設備性能であることを確認し、得られた焼成ペレットが予定通り無害化され、かつ十分な強度を有していることを確認した。また、排ガス中のダイオキシン類濃度も基準以下であることを確認した。

研究期間:平成15年~平成17年

研究参加企業:住友金属鉱山(株)

概要

平成15年度研究成果報告会での評価/質疑応答

細見委員
焼成ペレットの中の鉛の濃度は、1規定の塩酸でやったと思うのだが?

研究参加企業
残留量については、1規定の塩酸ではなく、完全溶解の分析方法で評価している。残留量は先ほどの20ppmなり60ppmとか。

細見委員
それはすばらしい。そうすると鉛は全てガス化したということか?

研究参加企業
はい。今までの焼却飛灰の解析結果からも、鉛は基本的には塩化物で揮発している。

細見委員
その辺の収支は取っているのか?もし取っていてこれだけになっていればすばらしい成果かなと思う。

研究参加企業
それは今まで焼却飛灰に関してやっている。また、今度熔融飛灰についても、そういうことをやるということにしている。今度の熔融飛灰についてはまだ十分取っていないが、基本的には同じだと思っている。

細見委員
焼成炉の中の温度は?

研究参加企業
キルンの挿入側では、だいたい600~660℃。一番高いところでは、灰の組成によって温度が変わるので、例えば塩が多いと融点が下がってくるので1000℃ちょっとぐらい、あるいは成分によっては1100℃ぐらいである。

細見委員
僕が一番すばらしいと思ったのはリモートセンサーでの温度測定。チップか何かを入れてやるのか?

研究参加企業
もともと熱電対を入れていて、普通は集電リングで、接触型で温度の情報を取るのだが、これは非接触型で熱電対の電位差のデータを取るというシステムである。だから、発信側と受信側と、キルンは回っているので、受け側があって、ほんの1秒ぐらい接する間に、渦電流を使ってキルン側に電流を渡して、その電流を使って起電力を受け側に渡す。

田口委員
ペレットにしているが、その具体的な利用法は考えているか?

研究参加企業
はい。これも焼却飛灰をやっていた時から、その点についてはいろいろやっていて、1つはやはり多量にはけるということが大事ということで、コンクリートの骨材関係、それからあとは建築用ではなく、コンクリートの2次製品、例えば車止めとか縁石とか、そういうコンクリートの2次製品の骨材代わりに利用する。そうすると、ハンドリング上、軽くなるというメリットがある。それから、あとは路盤材。特殊なところでは、またそれを粉にして凝集材に使えないかとか、濾過材に使えないかとか、粒のままだが土壌改質あたりに使えないかとか、そういうのも一応検討している。

田口委員
ほぼ同量ぐらい石炭灰を使っているが、この石炭灰については、一挙両得というか、こちらも処理できるということなのか?

研究参加企業
はい。そうです。

田口委員
石炭灰もそのままでは処理できないものを持ってくるのか?

研究参加企業
試験の関係で、使っている石炭灰は一応JISの分級された石炭灰を使っている。

田口委員
石炭灰の利用としてなされている研究と、石炭灰とこれと混ぜた方とどちらがいいのか?

研究参加企業
我々の研究では、相手としてたまたま石炭灰がよかったというところで、なおかつ石炭灰の再利用になるということでやっているので、石炭灰自身の研究というのはあまりやっていない。たまたま、副原料としてやっている程度である。

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