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掲載日:2010年4月1日

廃熱エネルギー回生用環境調和型熱電材料の技術開発

事業名:京都議定書目標達成産業技術開発促進事業(経済産業省補助事業)

研究開発テーマ:廃熱エネルギー回生用環境調和型熱電材料の技術開発

高温大気中で使用可能で環境負荷元素を含まない高性能酸化物熱電材料を量産可能なプロセス技術と共に開発するため、その柱となる材料設計・作製・評価技術を開発した。

  • (1)第一原理計算による熱電性能計算プログラムを開発し、設計が可能であることを実証した。
  • (2)n型Zn系、p型Co系層状構造酸化物の配向多結晶を作製する技術を開発した。
  • (3)Co系層状構造酸化物に共通の、電子輸送現象と磁性との相関を見出した。

研究期間:平成15年~平成16年

研究参加企業:(株)豊田中央研究所

概要

平成15年度研究成果報告会での評価/質疑応答

原口委員
熱電材料というのは、ずいぶん前から聞くが、実用になったという話は聞かない。今年はモジュールを作ると言っているが、どのくらいの変換効率を期待できるのか?例えば、ガスタービンの発電効率が60%近くきているが、そういうものに置き換わるようなものなのか?どの辺を目標にしているのか?

研究参加企業
メインの部分は置き換えることはできない。排熱の部分を活かして少しでもゲインにするという使い方だと思う。

原口委員
その辺の目標値は何とかなるものなのか、それともまだこういう材料研究を積み重ねないとなかなか実現は難しいという段階なのか?

研究参加企業
素子効率の目標では我々は今6%とという値を掲げている。両方とも酸化物だと素子効率でまだ4%程度である。酸化物は高温領域で高いのだが、低温領域では不足しているので、材料研究を続けることに加え、この材料を温度の高い方に使い、温度の低い方では得意な材料というのがあるので、その材料との組み合わせで目標を達成していきたいと考えている。

原口委員
15%くらいの目標をたてて…。

研究参加企業
これは息の長い技術であろうと考えている。私どもは研究開発を生業とする会社の材料屋ですので、将来の特性改善要求や信頼性確保要求に応えるために、指導原理を調べるような仕事というのが非常に重要ではないかと考えている。

石原委員
熱電材料というのは、非常におもしろい排熱回収技術、CO2を減らす上で非常に画期的な新しい技術だと期待しているのだが、効率が数パーセントと、まだ非常に低い状態である。ゼーベック係数の温度依存性を見ると、今一番必要な500℃以下くらいの排熱温度のところでゼーベック係数が急に落ちる。そこの対策を何か立てることはできないのか?

研究参加企業
酸化物は、温度が低い領域では電気抵抗が高くなるので、そこには別の材料系が必要なので、最終的には複数の材料の組み合わせになっていくかもしれない。しかし、高温の部分はやはり酸化物が得意な領域である。そこで、私どもはこの事業を通じて、高温用材料に加え、他の領域にも使えるような材料にもアタックできるようなツールをそろえたいと考えている。

石原委員
先ほどの計算プログラムが今年度比較的よく合ったというのは、結局どこの部分が改良されたことになるのか?また、この手のプログラムで計算する場合、これで材料を予測してその通りになれば、実験をやらなくてもよくなるのか?

研究参加企業
昨年の段階ではゼーベック係数と電気抵抗を具体的に定量的に評価することはできなかったが、今年度は、ボルツマン輸送方程式を定式化してプログラムに落とし込むことによって定量性を上げた。もちろん、第一原理だから、構造が分かれば物性値が計算できるわけだが、逆に言えば、構造が頭にない状態では、設計が進められない。つまり、何かアイデアがあって系統的な構造の探索をしていくというツールとしては非常に有効である。

石原委員
実験せずにできるようになるのか?

研究参加企業
それはかなり難しいと思う。やはり最終的には実験で確認をして、それをフィードバックしてよいものを作っていくというプロセスが必要になっていくと思う。

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