文字サイズ
拡大
縮小
色変更
標準
青地に黄色
黄色地に黒
黒地に黄色

English

  • お問い合わせ
  • サイトマップ

明日の地球のために

ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 平成23年度の事業 > 平成23年中南米・循環型社会形成促進のための廃棄物総合管理(B)研修 スタート

ここから本文です。

掲載日:2011年9月2日

平成23年中南米・循環型社会形成促進のための廃棄物総合管理(B)研修
がスタートしました

開講式8月24日(水曜日)より、ICETTにて、JICA 中南米地域「循環型社会形成促進のための廃棄物総合管理(B)」研修が開講しました。チリ、コロンビア、グアテマラ、パラグアイ、ベネズエラの5ヶ国から8名の研修員が参加しています。10月5日(水曜日)までのおよそ1ヵ月半に亘る研修です。

  

1.  研修の目的・背景

中南米各国では、首都への過剰な人口集中により種々の都市問題が発生してきており、とりわけ都市廃棄物(一般廃棄物および産業廃棄物)を中心とした環境汚染が大きな問題となっています。本研修では、日本における効率的な廃棄物処理技術に加え、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進による循環型社会構築や環境教育等のソフト面に焦点を当て、一般家庭や事業所などの発生源における環境意識啓発を促すとともに、行政によるその支援体制について研修を実施することで、中南米が抱える都市廃棄物の諸問題に対応可能な日本のノウハウや技術を修得することを目的とします。また、廃棄物処理を通じた新エネルギーの開発や活用など新たな視点を盛り込み、循環型社会構築については地球温暖化防止への貢献も含めて、中南米各国の事情にあった廃棄物処理計画立案とその実践に向けた行政官の能力向上を図ります。

 2. 研修手法・研修項目


中南米各国の廃棄物管理における3Rの促進、地方行政の廃棄物管理能力向上、循環型社会の形成や地球温暖化防止への貢献を目指し、日本の廃棄物管理行政の特徴・取り組みからヒントを得ながら自国との比較を行い、循環型社会形成要素の分析と課題の改善策を模索できるようにしました。また、廃棄物管理の事例について企業や自治体、地域の活動を見学し、廃棄物処理及びリサイクルに係る様々な手法、さらに環境意識啓発の促進についてノウハウを習得できるようにもしました。最終的には循環型社会形成に向け、行政、民間、事業者、コミュニティそれぞれの役割を理解し、自国でのシステム導入の提案などについて考えます。研修員はまずインセプションレポートにより、各国・地域・職場での廃棄物管理の現状と課題を発表し、本研修で習得すべき個々の課題を明確にし、互いの国の状況や問題点について共有します。研修は、以下4つのモジュールで構成します。

Ⅰ 日本の廃棄物管理システム 

日本の環境行政及び廃棄物の処理について、日本の政策、リサイクル法、国及び地方自治体における廃棄物全般の管理システムの紹介により、住民のごみ出しから分別・収集・運搬・焼却、産業廃棄物の収集・運搬・処理を理解します。また、収集・運搬におけるルートの見直しなど効率的なシステムについて学び、自国との比較をしながらシステムの構築について模索します。

Ⅱ 循環型社会に向けた3Rの手法

3Rへの様々な手法や3Rイニシアティブにおける具体的取組を理解して、リサイクル法に基づいたプラスチックや家電、自動車などの解体、管理のシステム・手法を確認します。また、循環型社会形成のための廃棄物管理に関するライフサイクルアセスメント(LCA)やゼロエミッションなどの概念を理解し、その一例としてバイオマス利用などについて知識を広めます。

Ⅲ  廃棄物処理技術と3Rの実践

産業界での廃棄物管理体制及び処理工程、独自の手法を確認して、地球温暖化防止に向けた取り組みについても考えます。研修旅行ではエコタウンなど環境配慮型の集合施設を見学して、形成に至る経緯や事業内容などについて理解を深めます。

Ⅳ  環境意識啓発の手法及び総括

地方自治体やNPOなどによる啓発活動による家庭や学校、事業所での環境意識向上に向けた取り組み事例を紹介します。まとめとして循環型社会形成に向け、行政、民間、事業者及びコミュニティの役割を理解し、地域住民を巻き込んだ3R活動にも触れ、地域の特性を活かした小単位での取り組みの実現を考えます。
研修のまとめとして自国で整備すべき課題等について整理して、研修で得た知識や技術の活用方法等を基に、帰国後の行動計画を作成し発表します。

(田村)