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掲載日:2011年8月30日
8月25日(木曜日)から10月5日(水曜日)の42日間、ICETTにてJICA「公害防止と地域環境管理」研修が実施されています。本研修には、アルジェリア、ブラジル、ガーナ、モルドバ、タジキスタン、マケドニア、ベトナムの7ヶ国から8名の研修員が参加しています。
1996年にISO14001環境マネジメントシステムが発行されてから、概して大規模の企業・工場では、国際市場への参入をも見据えた自主的な環境管理への取組みが始まり、いわゆるPDCAサイクルの考え方も一般化してきています。
しかしながら開発途上国での産業公害の実態をみると、環境マネジメントシステムに則っていない中規模・小規模の企業・工場が真の汚染源となっています。そのうえ、これらと生活系の未処理の排水・廃棄物などが複合した都市生活型の公害は、都市(周辺を含む)部への人口集中により、“点”的なものから“面”的なものへと深刻化しています。
また、開発途上国においては環境に係る基本的な法律が整備されているにも拘わらず、「法の執行面に問題がある」という現状があり、実際の環境保全が依然として達成されていないということを途上国自身も認識しています。特に産業拠点を持つ地方都市において、資金や人材不足ともあいまって行政の環境管理能力が十分に発揮されていない実態があります。
本研修での目標は、開発途上国において水質汚濁問題等の公害に直面する途上国の研修員を対象に、水質環境管理等に係る実践的な管理手法の習得です。地域の環境行政担当者が、所管する地域内で問題となっている工場に対して、いかにして公害防止の意識啓発から具体的な改善策の計画・実施にまで至らせるかという行政的手法を体得します。
研修項目 〈講義・見学内容〉
1) インセプションレポート発表会(質疑応答も含む)
2) 日本の公害の歴史、改善手法
3) 日本の公害防止法令の紹介:大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法
4) 大気・水質モニタリング施設見学
研修項目 〈講義・見学内容〉
1) 公害防止・環境保全関連技術:測定技術、EOP技術、CP技術、
2) 公害防止・環境保全に係る(地方)行政の取組み:総量規制、業種別排出基準(上乗せ・横出しを含む)、環境影響評価制度、公害防止管理者制度、公害防止協定、各種優遇措置や助成制度、表彰制度
3) 企業の取組み:研修員が身近に感じられるSME〈中小規模企業〉や軽工業〈食品業など〉を対象にして、自主的な環境管理、EOP技術の適用、CP技術、情報公開やCSR活動の事例提示
研修項目 〈講義・見学内容〉
1) 一般・産業廃棄物処理講義・施設見学
2) 生活廃水処理講義・施設見学
3) 地域における河川の水質管理
4) 行政による環境保全に関する啓蒙活動
5) 市民団体(NPO法人など)との環境改善自主活動の意見交換
研修のまとめとして自国で整備すべき課題等について整理し、研修で得た知識や技術の活用方法等を基に、帰国後の実施内容についてアクションプランとして作成し発表します。
(谷口)