ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 令和5年度の事業 > 【報告】2023年度JICA課題別研修「海洋ごみ対策のための廃棄物管理(B)」を実施しました。
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掲載日:2024年3月1日
近年、海洋ごみ問題、特に海洋プラスチックごみ問題に対する認識は、世界規模で急速に高まってきており、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の作成に向けて国際的な連携も強化されつつあります。一方、開発途上国では、不適切な管理により、陸域で発生した廃棄物が海洋に流出しているほか、海洋ごみ対策に必要な実態把握が進んでいないなど、海洋ごみ問題の解決に向けて多様な課題が山積しています。
こうした中、ICETTは、プラスチック資源循環等、海洋ごみ対策に資する取組みの推進への貢献の一つとして、独立行政法人国際協力機構(JICA)から「2023年度課題別研修『海洋ごみ対策のための廃棄物管理(B)』」を受託し、実施しました。本研修は、2020年度に委託を受けて以来、4回目の実施となりました。これまでは、コロナ禍の影響で遠隔研修のみ、または遠隔研修と来日研修を交えた研修が行われてきましたが、初めて、来日研修のみで実施されました。
本研修では、海洋ごみ問題を陸域と海域の視点から包括的に理解し、その解決策を法施策、技術など多面的に考察する研修プログラムを実施しました。海洋ごみの根本的解決には陸域での発生抑制が重要であることから、これに資する廃棄物管理やプラスチック資源循環を研修プログラムの軸の一つに据えました。一方で、海域の海洋ごみが環境、生態系、経済に及ぼす影響や、海洋ごみの実態把握・モニタリングの手法をもう一つの軸に掲げました。研修員は、講義、見学、討議を通して、世界や日本における海洋ごみ問題と対策への見聞を深めました。また、行政機関、企業、研究機関、市民団体など様々なセクターの責任や役割、それに基づく積極的な取組みを理解するとともに、海洋ごみ問題の解決にはこれらの連携が不可欠であることを学びました。研修最終日には、研修中の学びを活かした帰国後の活動が、アクションプランとして発表されました。
本研修を経て、研修員は、国は違うものの、同じ目的に向かって取り組む仲間と出会うことができました。研修中も、他の国での取組みや他の研修員からの意見は重要な参考となるとともに、自国での更なる取組みへのモチベーションにもなっていました。今後も、研修員が、共通する日本での経験をもとに、互いに高め合い、アクションプランの実施を含め、海洋ごみ問題の解決に取り組むことが期待されます。
この場を借りて、本研修に多大なご協力をいただきました講師や見学先の皆様に厚くお礼申し上げますとともに、本研修の実施においてご指導、ご支援いただきましたJICA関係者の方々に感謝申し上げます。
2023年10月2日(月)~27日(金)
ブラジル、エジプト、ジャマイカの行政官(国・地方自治体) 各1名 計3名
集合写真(ICETT前) | 講義 | 現場見学(容器包装リサイクル) |
ワークショップ | 実習(海洋ごみ測量・モニタリング) | 実習(マイクロプラスチック調査) |
アクションプラン発表会 | 日本文化体験(伊賀流忍者博物館) | 日本文化体験(茶摘み体験) |
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