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掲載日:2015年3月9日
2014年11月30日から12月7日の8日間、モンゴル国ウランバートル市内の高校生10名と引率者としてウランバートル市教育局の職員1名が来日し、ICETTを研修拠点に、講義、実習、見学、交流の研修を実施しました。
モンゴル国での環境汚染問題を背景にした環境保全分野での日本の経験と取組みをテーマに、特に四日市地域で発生した産業公害の克服を中心に、科学技術の用いられ方、持続可能な発展、環境保全を総合的に理解する研修を行いました。
研修はまず、本研修のキーとなる四日市公害を扱った講義や、環境分析施設の見学からスタートしました。講義中、休憩も取らずに質問を続けていた姿が印象的でした。また、日本初のバイオマス活用施設では、条件が自国モンゴルに共通する点が多く、参加者は親しみを感じるとともに自国での可能性に想像をめぐらせていました。
県内の大学では、研究事例として発達神経毒性評価について学習し、愛知県にある企業では、太陽光発電を見学して、その巨大な敷地の太陽光発電に圧倒されながらも発電のしくみを知ることができました。
その後東京へ移動し、東京では、日本科学未来館や東京都庁を訪問しました。日本科学未来館では、様々な展示に触れたり、科学技術を体験したりしました。東京都庁では、休日にも関わらず東京都の職員の皆様に温かく迎えていただき、大都市東京の歴史や、都市形成、産業科学技術振興を楽しく理解しました。高層ビル群の眺めには、皆大はしゃぎで、時間の経つのも忘れました。
交流の面では、地域の方々とも様々な形で触れ合いました。
四日市市内の高校を訪問し、高校生同士で自国の紹介をそれぞれ行った後、日本人・モンゴル人が入り混じったグループに分かれて数学の問題を解くワークショップをしました。モンゴルの高校生は民族衣装を着て交流の場を和ませ、またお互いにお土産を渡し合うなど和気藹々としたひとときになりました。
参加者の誕生日には、誕生会を兼ねて折り紙をしたり、また、四日市市内のボランティアのご家庭に訪問をさせていただき、日本の生活習慣を体験したりすることができました。日本の温かいご家庭との触れ合いは、忘れがたい時間になりました。
閉会式にて参加者に修了証を授与した後、送別会を兼ねて、ちょうどICETTで研修中だったJICAの研修員との交流会も実現しました。互いの国の紹介やダンスなどで大いに盛り上がりました。
参加者は日本で様々な情報を吸収し、「百聞は一見にしかず」を身をもって体験できたようでした
帰国後2月10日に、引率者である教育局の職員の下、現地で参加者による報告会を開催しました。参加者は自分の学校の教員や生徒に対し、日本での研修内容、得た情報、感じたことなどを発表し、また、さっそく学校での環境活動に取組んでいるとのことでした。貴重な日本での経験を仲間に広く発信して共有したい思いが強いことがうかがわれ、今後も研修の効果が大いに期待できると思います。
科学技術振興機構(JST)のご支援の下、参加者及びICETTにとって実りある研修となりましたことを、ご協力いただきました関係者の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。