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明日の地球のために

ホーム > 調査・研究 > 調査 > 令和元年度の事業 > 【報告】プラスチック資源循環に係る企業の海外展開支援事業の実施

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掲載日:2020年4月8日

【報告】ICETT自主事業:プラスチック資源循環に係る企業の海外展開支援事業の実施 

概要

 ICETTは、プラスチック資源循環への取り組みとして、太平洋島嶼国を対象に優れた環境保全技術を有する企業の進出を支援すべく、JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の枠組みにおける案件形成を目指しています。今年度は名古屋市でのセミナー・勉強会及びフィジーでの現地基礎調査を実施しました。


背景と目的

  日本政府の「プラスチック資源循環戦略」(2019年5月31日付)を受け、ICETTとしても地球規模の環境、廃棄物問題解決に向けて環境技術移転を通じて貢献していきたいと考えています。
 特に、大洋州の小島嶼開発途上国では狭小性、隔絶性、遠隔性、海洋性といった特性から、廃プラスチックを含めた廃棄物処理の課題を抱えており、現地で廃棄物管理に係る技術協力プロジェクトを長年実施してきたJICAからも、企業の技術力による解決に期待が寄せられています。

内容

1)セミナー・勉強会の開催

 2020年2月4日に、「太平洋島嶼国における環境ビジネスのポテンシャルを考えるセミナー・勉強会」を愛知県名古屋市にて開催しました。

 太平洋島嶼国については、一般概況も含めて、現時点で十分な知見がありません。太平洋島嶼国は豊かな観光資源に恵まれている一方、人口増加や地球温暖化のインパクトを受け易く、環境保全への配慮が必要な地域です。今回はそういった地域での環境ビジネス、特に廃棄物関連ビジネスのポテンシャルについて、参加者の皆様へ情報提供すると共に質疑応答・意見交換の場を設けました。

seminar

2)フィジー現地基礎調査の実施

 2020年2月22日から3月6日までの14日間、フィジー共和国(ビチレブ島)において現地基礎調査を実施しました。本調査での目的は主に下記3項目でした。

  1. 廃棄物(特にプラスチック廃棄物)に関する現状及び課題の把握
  2. プラスチック廃棄物処理技術を有する日本企業による事業可能性調査のための情報収集
  3. 国際機関 太平洋諸島センター(PIC)主催の対フィジー官民合同経済ミッションへの参加と情報交換 

 現地では、廃棄物に関連する水事業・環境省、JICAフィジー事務所並びにJ-PRISMプロジェクト専門家、各地方自治体、ホテル観光協会、製造業、リサイクルに携わる企業、大学など、合計30近くの組織・団体・関係者と面会することができました。各訪問先では現地情報収集及び日本企業の廃プラスチック処理技術の紹介をすることができました。

 Lautoka_recycle_station

ラウトカ市のリサイクルステーション(JICA J-PRISM事業での導入)

成果と展望

 セミナー・勉強会では、参加者の皆様に太平洋島嶼国の現状に関して基本情報をお伝えし、また太平洋島嶼国に関心を持つ企業・組織とのネットワークを築くことができました。

 現地調査ではフィジーでの廃棄物管理改善に関する需要は高く、緊急性があることが確認できました。また、日本企業の廃プラスチック処理技術について、現地政府、自治体、企業等から非常に好意的かつ高い期待が寄せられました。

 現地調査結果については、関心をお示しの企業様等へ第2回勉強会として提供し(但し、実施時期及び実施形態・方法については新型コロナウイルス感染の影響拡大の予防的観点から検討中です)、今後は、JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の枠組みにおける案件形成を目指して、フィジーへの再訪問を含め、準備を進めていきます。