文字サイズ
拡大
縮小
色変更
標準
青地に黄色
黄色地に黒
黒地に黄色

English

  • お問い合わせ
  • サイトマップ

明日の地球のために

ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 平成30年度の事業 > 【報告】平成30年度 中華人民共和国「天津セミナー」国内受入研修を実施

ここから本文です。

掲載日:2018年12月1日

  平成30年度 中華人民共和国「天津セミナー」を実施しました。

概 要 

四日市市と中華人民共和国天津市とは、1980年の友好都市提携以来、様々な分野で交流を続けています。その交流の一環として、当財団では1993年から、天津市が抱えている環境問題の改善を目的とした研修を四日市市から受託して実施しています。これまでに130人が四日市市での研修を受講し、一方天津市でのセミナーには917人が参加しています。2018年度は、「工業団地の排水処理」をテーマとして、天津市でセミナーを開催し、四日市市で研修を行いました。

背景と目的

天津市では、著しい経済発展を遂げる一方で、多くの環境問題が発生しており、その改善が喫緊の課題となっています。そのため、本事業では、天津市環境保護局の職員等が日本の環境技術や管理手法を理解し、天津市の環境改善に役立てることを目的として実施しました。

 内容

1) 天津市でセミナーを開催
2018年10月16日、17日の2日間、天津市内でセミナーを開催し、天津市の環境保護局や研究者等119名が参加しました。セミナーでは、天津市の専門家が天津市の水環境の現状について発表し、日本側の専門家が「水質汚濁に関する日本の法律や管理の仕組み」、「重金属排水処理法及び排水処理設備運転管理時の留意点」、「物理化学的処理を用いた有機有害汚染物質の除去技術」について発表しました。また、2日目の最後のセッションでは、工業団地の排水処理に関する自由討論を行いました。

 

  H30_10_16天津セミナー

環境保全セミナーの様子

 

2)国内受入研修
日本国内で実施した研修には、2018年11月4日から11月17日までの14日間、天津市環境保護局職員など6人が参加しました。研修では四日市市職員から現在の環境行政の取組みについて学んだ後、日本の水質汚濁防止に関する法制度や技術について学習しました。その他にも、企業や公的機関を訪問し、水質保全技術に加えて環境教育や企業の責任と情報公開などについても学びました。
さらに、研修員は、天津市と友好都市提携を締結している神戸市に加え、京都市も訪問し、両市の環境行政の特徴や、高度排水処理技術と分析機器についても学びました。


 

H30_11_07天津セミナー
国内受入研修の様子

成果と展望

天津市での環境保全セミナー、及び国内受入研修の参加者からは、以下のような意見が寄せられました。


(現地セミナー)
・両国の排水基準を比べて、重金属排水の処理方法を詳しく解説していただきました。各々の問題に対する対策も提示してくれたので大いに参考になりました。
・工業団地建設プロジェクトの担当者として、工業団地における汚水処理場の建設、管理及び運営のヒントを得ることができました。
・国や地域によって状況は異なるが、共通している部分があり、互いに学びあうべきだと感じました。日中の交流を通じて、天津市の水質管理がより科学的・近代化したものになっていくと思います。


(国内受入研修)
・日本の行政や企業は環境教育・情報公開に力を入れており、若い世代から環境意識を高めることができます。中国では経済発展が優先されてきたため、環境問題は起きてからの対処になりがちですが、環境問題の解決には、環境意識の醸成こそが肝要であると学びました。
・視察した企業は、環境への責任を持っており、自発的に厳しい基準を設定し、情報を公開しています。中国の企業は環境意識の面ではまだこれからであり、日本企業の取組みは大いに参考になりました。
 
2018年に中国中央政府の旧環境保護局と他部の環境分野とが統一され、生態環境部に格上げされたことに代表されるように、中国は国全体として環境改善に力を入れており、本事業にかかる期待は益々高まっています。今後も天津市の問題に即したテーマを取上げ、天津市の環境改善の一助となるような事業を目指します。