【報告】自主事業 令和7年度第1~3回ICETT資源循環セミナーを開催しました。



公益財団法人国際環境技術移転センター(ICETT/アイセット)は、近年、サーキュラー・エコノミーへの取組みが世界的に盛んになる中、 令和6年度より、企業・団体の皆様への情報共有を通じて、日本国内やASEAN等海外での資源循環及びそれに資するビジネスの促進に貢献することを目的に「ICETT 資源循環セミナー」を開催しています。令和7年度は、「e-waste」「循環性向上に向けた製品設計」「プラスチックのケミカルリサイクル」のテーマで3回にわたり開催し、のべ428名(会場:48名、オンライン:380名)の方々に参加いただきました。
第1回 ICETT資源循環セミナー:e-waste資源循環の新たなステージへ
背景・目的
金属・石油などの資源を輸入に頼る日本にとってe-wasteは「都市鉱山」とよばれ、貴重な資源として活用すべく、法整備や技術開発が行われてきました。こうした中、家電リサイクル法により製造業者・輸入業者に再商品化の義務がある家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)は、その多くが回収され高い再商品化率を実現しています。
一方で、小型家電は、リサイクル法があるものの、未だ回収率が低く、廃プラスチックリサイクルは熱回収の割合が高いなどの課題があり、更なる資源循環の推進や高度化が求められています。また、世界的な資源需要の増加や地政学リスクの高まりといった資源制約の観点から、レアメタルやベースメタル等の金属の回収も急務とされています。
このように、変革期にあるe-wasteのリサイクルにおける現況や政策の方向性、近年の新たな資源循環の事例を企業・団体と共有することを目的にセミナーを開催しました。
開催日
2025年9月5日(金)
参加者数
115名(会場:12名、オンライン:103名)
プログラム
【政策紹介】
「e-waste資源循環に向けた環境省の取組」
環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課 資源循環ビジネス推進室 主査 田中 陽二 氏
(オンライン登壇(荒天による予定変更))
【事例紹介】
「SUREコンソーシアムの技術思想と活動のご紹介」
国立研究開発法人産業技術総合研究所 首席研究員
SUREコンソーシアム 会長 大木 達也 氏(オンライン登壇)
【企業事例紹介】
「AIを活用した廃電子基板からの希少金属の回収」
株式会社ウエスギ 代表取締役社長 上杉 啓詞 氏
「プラスチックスマート選別DXソリューションのご紹介」
三菱電機株式会社 サステナビリティ・イノベーション本部 サステナビリティ事業推進部
リサイクル共創センター技術営業統括 橘川 知彦 氏(オンライン登壇)
最初に、環境省から日本における資源循環の現状と最新の政策や動向が共有され、続いて国立研究開発法人産業技術総合研究所 SUREコンソーシアムの大木会長より、SUREコンソーシアムの技術思想と活動の紹介がなされました。
また、株式会社ウエスギ及び三菱電機株式会社の2社による先進的な取り組み事例の発表がなされました。
セミナーの様子
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ICETT 地球環境部
坂東 愼二

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環境省 環境再生・資源循環局 資源循環課
資源循環ビジネス推進室 主査 田中 陽二 氏
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国立研究開発法人産業技術総合研究所 首席研究員
SUREコンソーシアム 会長
大木 達也 氏
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株式会社ウエスギ
代表取締役社長 上杉 啓詞 氏
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三菱電機株式会社 サステナビリティ・イノベーション本部
サステナビリティ事業推進部
リサイクル共創センター技術営業統括 橘川 知彦 氏
第2回 ICETT資源循環セミナー:循環性向上に向けた製品設計の今とこれから
背景・目的
製品の循環性を向上させるため、製品の企画・設計段階から資源循環を意識した環境配慮設計が重要視されています。近年では、再生材の活用や解体・再利用を前提とした設計が各業界で進められており、2024年施行されたEUのエコデザイン規則や、2026年施行された改正資源有効利用促進法により、この動きはさらに加速すると見込まれます。
このため、資源循環に資する製品設計をテーマに業界を越えた知見を共有し、企業等の皆様に今後の取組の参考としていただくとともに、他分野への応用の可能性を探る場を提供することを目的にセミナーを開催しました。
開催日
2025年12月19日(金)
参加者数
164名(会場:24名、オンライン:140名)
プログラム内容
【基調講演】
「環境配慮設計の経済学」
神奈川大学 経済学部 教授 山本 雅資 氏
【政策紹介】
「成長戦略としての資源循環経済確立に向けた取組について」
経済産業省 イノベーション・環境局 GXグループ 資源循環経済課 専門職 新家 真魚 氏
(オンライン登壇)
【事例紹介】
・パナソニック ホールディングス株式会社 MI本部 CEエキスパート 田島 章男 氏
・資源循環プロジェクト 代表
日榮新化株式会社 資源循環事業部長 本池 高大 氏
・クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA) 事務局次長 柳田 康一 氏
【パネルディスカッション】
「循環性向上に貢献する製品設計推進のポイント」
モデレーター:
・神奈川大学 経済学部 教授 山本 雅資 氏
パネリスト:
・パナソニック ホールディングス株式会社 MI本部 CEエキスパート 田島 章男 氏
・資源循環プロジェクト 代表
日榮新化株式会社 資源循環事業部長 本池 高大 氏
・クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA) 事務局次長 柳田 康一 氏
最初に、神奈川大学経済学部の山本教授から、経済学に基づく資源循環の過去から現在の状況と今後の方向性が共有され、続いて経済産業省から最新の政策が説明されました。
その後、パナソニックホールディングス株式会社、日榮新化株式会社、クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)の合計3事業者による先進的な取り組み事例の紹介がなされました。
また、最後には山本教授をモデレーター、事例紹介者をパネリストとして迎えたパネルディスカッションが行われました。
セミナーの様子
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ICETT 地球環境部
坂東 愼二
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神奈川大学 経済学部
教授 山本 雅資 氏

経済産業省 イノベーション・環境局 GXグループ
資源循環経済課 専門職
新家 真魚 氏
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パナソニック ホールディングス株式会社 MI本部
CEエキスパート 田島 章男 氏
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資源循環プロジェクト 代表
日榮新化株式会社 資源循環事業部長 本池 高大 氏
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クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)
事務局次長 柳田 康一 氏
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第3回 ICETT資源循環セミナー:地域に根差したプラスチック・ケミカルリサイクルへの道を考える
背景・目的
プラスチックは暮らしに不可欠な素材である一方、海洋ごみや気候変動への対応から資源循環の重要性が高まっています。リサイクル手法の一つであるケミカルリサイクルは、使用済みプラスチックを原料に戻す循環性の高い技術として研究や実用化・事業化が進められており、三重県北勢地域を中心とした当地域での取組が進められることが望まれます。
こうしたことから、ケミカルリサイクルの先進的な取組や三重県での取組状況などの紹介を通し、この地域でのケミカルリサイクルの実装に向けた機運醸成を目的にセミナーを開催しました。
開催日
2026年3月19日(木)
参加者数
149名(会場:12名、オンライン:137名)
プログラム内容
【講演】
「プラスチックのケミカルリサイクル技術の概要と産総研のPETケミカルリサイクル技術について」
国立研究開発法人産業技術総合研究所 サーキュラーテクノロジー実装研究センター
主任研究員 田中 真司 氏
【事例紹介】
「DICの考えるポリスチレンの完全循環型社会の実現」
DIC株式会社 パッケージングマテリアル事業本部 マネジャー 内田 慶一 氏
「ケミカルリサイクル技術の社会実装にむけたコンソーシアムの取組み」
株式会社アールプラスジャパン 代表取締役社長 大竹 篤 氏
「プラスチックの国内資源循環に向けて」
一般社団法人プラスチック循環利用協会 総務広報部 広報学習支援部長 安在 浩直 氏
最初に、国立研究開発法人産業技術総合研究所の田中主任研究員より、ケミカルリサイクルの概論や同所の最新のケミカルリサイクル技術が共有されました。
続いて、DIC株式会社と株式会社アールプラスジャパンからケミカルリサイクルの技術を活用した取組事例が、また、一般社団法人プラスチック循環利用協会からプラスチック資源循環の現状が共有されました。
セミナーの様子

ICETT 地球環境部
坂東 愼二


国立研究開発法人産業技術総合研究所
サーキュラーテクノロジー実装研究センター
主任研究員 田中 真司 氏

DIC株式会社 パッケージングマテリアル事業本部
マネジャー 内田 慶一 氏

株式会社アールプラスジャパン
代表取締役社長 大竹 篤 氏

一般社団法人プラスチック循環利用協会 総務広報部
広報学習支援部長 安在 浩直 氏
成果と展望
各回とも会場とオンラインのハイブリット形式で開催し、三重県、愛知県を中心に企業、行政、研究機関等から計428名(会場:48名、オンライン:380名)の方にご参加いただきました。
講演の後には、参加者から多くの質問が寄せられたほか、セミナー後に会場で実施した講師との名刺交換会では、参加者と講師が活発な意見交換を交わすなど、交流を深める機会を提供することができました。
セミナー終了後のアンケート調査からも、資源循環に対する理解あるいは関心が高まったとの回答を多くいただき、これらのセミナーが資源循環に係る様々な取組促進の一助になることを願っています。
ICETTでは今後も、国内外における資源循環の取組促進と地域経済の発展を目的としたセミナー等、情報発信の機会を企画、実施いたします。

