ホーム > 【パラオ通信Vol.2】パラオ共和国 バベルダオブ島における分別排出システムの普及促進事業(JICA草の根技術協力事業)
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掲載日:2023年6月30日
2023年2月にスタートした「パラオ国バベルダオブ島における分別排出システムの普及促進事業(JICA草の根技術協力事業)」の近況をお届けします!
今回は、「資源回収推進チーム(学校教育型)」についてご紹介します。
このプロジェクトではパラオの廃棄物処理を担う公共基盤・産業・商業省や、公立校を所管する教育省と協力して、対象地域の住民や小学校に対する啓発をしながら、パラオの家庭から出るごみを分別回収して、埋立処分場へのごみの埋立量を減らす活動をしています。
そこで活躍するのがプロジェクトの活動中心メンバーとなる「資源回収推進チーム」です。パラオのバベルダオブ島という一番大きな島にある8つの公立小学校で、意識啓発と、ごみの分別排出を推進する活動をするために結成した「資源回収推進チーム(学校教育型)」は、教育省、学校長・担当指導教員のほか、パラオで積極的に啓発活動をしているNPOでメンバーを構成しました。チーム名はパラオ語で「BOBIIAIKING」に決まりました。『分別』という意味です。
チームメンバーは、ミーティングなどで議論をしながら、まずは学校教員自らが子どもの頃からの環境教育の必要性について理解を深めた上で、自分たちが教育現場で環境教育を実践していくことを目指します。それがパラオの豊かな自然を守ることにもつながります。さっそく、4月にチームメンバーで、先行事例のステーションでの分別排出を見学し、活動の目的や内容について理解を深めました。
キックオフミーティング(左)と先行事例見学会(右)(2023年4月4日)
また、6月のチームBOBIIAIKINGのワークショップ(オン
ライン)では10名のチームメンバーが参加し、プロジェクト
の環境教育技術アドバイザーの寺田卓二氏より、地球を取り
巻く地球温暖化、海洋プラスチック、森林伐採、生物の減少
などの環境問題や、持続可能な開発のための教育(ESD)、
SDGsの視点から、環境教育の手法について分かりやすく説明
しました。その後、寺田氏と参加者は意見交換を行い、参加
者の教員はそれぞれ、学校で実践できそうな計画案を作って
みることになりました。
寺田卓二氏
寺田卓二技術アドバイザー(一般社団法人ネクストステップ研究会代表)
理科教師としての30年以上の教育経験と三重県の環境行政での従事経験を生かし、退職後、ネクストステップ研究会を設立。
四日市市内を中心に環境教育の質の向上や、最近では生ごみの削減分野においても積極的に活動しています。
Ms. Paloma Matsuoka
Administrative Assistant at the Division of School Operations Management
Ministry of Education
アリー!(こんにちは!)パロママツオカです。バベルダ
オブ島の家庭ごみの分別排出を促進するプロジェクトに参加で
きることを光栄に思っています。バベルダオブ島の生徒や地域
住民に対し、適切なごみの管理の重要性と、それが将来バベル
ダオブ島にどのようなプラスの影響を与えるかについて教育す
るとても良い機会だと思います。パラオ人は私たちの島の美し
さと豊富な資源に誇りを持っています。この素晴らしいプロジ
ェクトによって、島を自然のままに保つことの重要性が促進さ
れると思っています。
ICETTの皆さん、このような機会をいただきありがとうござ
います!
※教育省は、パラオの公立校を所管しています。Palomaさんは、教育省でIT
部門、メディア部門、交通サービス、給食サービスプログラムを含む学校運営管
理部門の日常業務を担当しています。
Palomaさんは、チームBOBIIAIKINGのメンバーでもあります。
Ms. Paloma Matsuoka
次回は、もう1つの「資源回収推進チーム(コミュニティ型)」をご紹介します。お楽しみに!