文字サイズ
拡大
縮小
色変更
標準
青地に黄色
黄色地に黒
黒地に黄色

English

  • お問い合わせ
  • サイトマップ

明日の地球のために

ホーム > 情報提供・普及啓発 > 令和2年度の事業 > 【報告】ICETT設立30周年記念式典・講演会を開催しました

ここから本文です。

掲載日:2021年2月1日

【報告】公益財団法人 国際環境技術移転センター(ICETT)設立30周年記念式典・講演会を開催しました

公益財団法人国際環境技術移転センター【ICETT(以下ICETTと表記)】は1990年(平成2年)3月31日の設立から30年を迎えることが出来ました。2021年(令和3年)1月23日に開催しました設立30周年記念式典・講演会について報告します。

会場全体※今回の式典・講演会は、新型コロナウィルスの感染が拡大し、緊急事態宣言や三重県の緊急警戒宣言が発出されている状況を踏まえて、会場にお越しいただく人数を制限し、またオンラインでも配信する開催方式としました。

開催概要

日時:2021年(令和3年)1月23日(土)14:00~16:00

場所:ユマニテクプラザをメイン会場として、ナゴヤイノベーターズガレージと三重県庁、東京をオンラインで接続

内容:

 第一部 記念式典

 1.主催者挨拶

   ICETT会長 水野 明久(一般社団法人中部経済連合会 会長)※ナゴヤイノベーターズガレージより参加

   ICETT理事長 鈴木 英敬(三重県知事)※三重県庁より参加

   ICETT副理事長 森 智広(四日市市長)

 2.ICETTの事業活動紹介 

   ICETT専務理事 長谷川 耕一

 第二部 記念講演会

 1.講演「プラスチック資源循環の現状と課題・今後の方向性 ~持続可能な消費と生産の観点から~」

   東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻 教授 平尾 雅彦 氏

 2.閉会挨拶

   ICETT副会長 種橋 順治(四日市商工会議所 会頭)

協力:東京大学地域未来社会連携研究機構三重サテライト

講師紹介及び開催案内のページはこちら

 記念式典の様子

 式典  会場全体2
 森副理事長  ICETT事業活動紹介

  ICETT設立30周年記念式典では、ナゴヤイノベーターズガレージ、三重県庁、ユマニテクプラザの3会場から、ご参加頂いた皆様に向けて主催者挨拶を行いました。

    また、ICETTの事業活動紹介では、30周年を機に、設立当初に掲げた基本理念である、「わが国及び諸外国が有する環境保全に関する技術を他の地域に移転することにより、諸外国及びわが国における環境問題を改善し、もって地球環境の保全及び世界経済の持続的な発展に資する」に立ち返り、組織が目指す姿を再確認したこと、そして、「プラスチック資源循環に係る取組みの推進」を事業戦略とし、中部地域を中心とする日本の産業界の技術、そして行政や学界の皆様の知見を最大限に活かしながら、開発途上国のニーズを真摯にくみ取り、環境問題の改善に寄与していくことを改めて表明しました。

  【資料1】ICETTの事業活動紹介(PDF:1,793KB)

記念講演会の様子

 平尾先生1  平尾先生2
 平尾先生3  種橋副会長

 講演会の様子

 閉会の挨拶

  この度ご講演頂きました平尾先生は、化学システム工学をご専門としており、化学工場の設計や効率的な運転を研究テーマの原点とし、その後化学工場から作られた製品についても、プラスチックをはじめとしてどのように社会に役立ち、廃棄されていくのかについて研究されています。

  平尾先生には「プラスチック資源循環の現状と課題・今後の方向性 ~持続可能な消費と生産の観点から~」をテーマに、持続可能な消費と生産パターンとは、プラスチックの資源循環の現状と課題、プラスチック資源循環の今後の方向性についてご講演いただきました。次に一部を紹介します。

【講演の要約】

  資源の消費はアジア全体で増加傾向にあり、大量生産による資源の消費は経済活動の活発化を表すと同時に、CO₂排出量 の増加とも連動しています。SDGsの17の目標を達成するためには、消費と生産の活動を変える必要があり、これからは、3R、 環境配慮製品の製造、グリーン購入などにより、消費と生産の活動を活発化させながら人々の充足感を得つつ環境負荷を減らす、充足性と環境負荷のデカップリングが必要となります。

  日本では1995年に容器包装リサイクル法が制定され、2000年には循環型社会形成推進基本法が制定されるなど資源循環に先進的に取り組んできました。SDGsの目標12「持続可能な消費と生産パターンの確保」を中心に考えることで、資源国や開発途上国の豊かさ、技術のイノベーションにも結びつきます。また、目標12を達成するためには、消費と生産が重ね合わさり繋がりあうことが重要で、消費者と生産者は安価で利便性だけを重視するのではなく、循環しやすい製品やサービスに目を向けていくことが必要であり、それが 持続可能な消費と生産につながっていきます。さらにこれからは、ごみとしてではなく、資源としての使用済み製品の処理を考えていかなければなりません。

  日本においてプラスチックは年間約1千万t生産されています。廃棄されるプラスチック891万tのうち、16%は未利用(単純焼却・埋立)ですが、84%が焼却熱利用も含めて有効利用されています。有効利用のうち67%はサーマルリサイクルで マテリアルリサイクルは2割です。

  資源循環のためには単にマテリアルリサイクルを増やせばよいというわけではありません。リサイクル技術が本当に環境負荷を減らすことができるかを考えるには、温暖化防止や化石資源枯渇防止、経済的な実行可能性といった項目を評価するために、資源採掘から最終的な廃棄までを評価範囲とする「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の考え方が重要です。

  次に、プラスチック製容器包装のリサイクル手法ごとのCO₂排出量について、LCAによる評価を行いました。マテリアルリサイクルでは使い捨てのプラスチック製品にリサイクルするだけではCO₂排出削減効果は低く、繰り返し使えるプラスチック製品に加工することで削減効果が現れます。さらに、コークス炉や高炉でのケミカルリサイクルや、廃棄物固形燃料(RPF)やセメント製造過程でのサーマルリサイクルでは一見CO₂を放出しているだけのように思われますが、LCAで評価するとCO₂削減効果が高く、ここからも短絡的にリサイクルを進めるのではなく、リサイクル技術を適正に評価することの重要性が分かります。

  プラスチック資源循環の方向性としては、消費者、リサイクル事業者、行政機関、研究者や専門家といった循環に関わる人や組織(ステークホルダー)の役割とその課題を示しました。ただし、プラスチックをプラスチックに循環利用することだけに固執せずに議論することも必要で、日本のケミカルリサイクルやサーマルリサイクルは企業努力の賜物であり、海外に向けて正当に評価され利用されるべきだと感じています。また、 今の時代は公害の問題だけではなく、我々の豊かさ(Wellbeing)の問題に変わってきています。温暖化の問題だけでも資源循環だけの問題でもありません。どんな社会システムを作るのかということを消費者、廃棄物処理業者等様々なステークホルダーを巻き込みながら議論し、広い視点であるべき姿を考えなければなりません。

  持続可能な消費と生産のパターンをつなげ、プラスチック資源循環にとどまらず、地球1個分の社会をつくっていくことが重要です。プラスチック資源循環においても固定的な考え方でなく、どういう課題を、どういう技術で、どういう制度で、どう解決していくのか科学的な議論を行い、その考えを広めていきたいと考えています。

【資料2】平尾先生講演資料(PDF:2,088KB) ※編集、転用を禁じます

 

  ご講演の最後には、ICETTの役割は関係者を連携させること、国と国をつなげるところであり、SDGsの目標17をきちんと発展していくことが資源循環の近道ではないのかとも語って頂きました。

  ご講演頂きました平尾先生、式典・講演会開催にあたってご協力頂きました関係者の方々、記念式典・講演会にご出席頂きました皆様、日頃よりICETTの事業にご支援、ご指導頂いている方々に心より感謝申し上げます。

ICETT設立30周年記念誌を発刊しました。こちらもご覧ください。

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。