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掲載日:2010年4月1日

直接メタノール燃料電池システムの技術開発

事業名:地球環境保全関係産業技術開発促進事業(経済産業省補助事業)

研究開発テーマ:直接メタノール燃料電池システムの技術開発

本技術開発は、平成14、15年の2年間で600W級直接メタノール燃料電池システムを定置形電源として開発しようとするものである。平成14年度はシステムを開発するためのキーテクノロジーである大型スタックの開発、高効率化等について検討を行った。大型スタックの開発では、電極面積345cm2の大型セルを用いた35セルスタックを作製し、最大出力650W、エネルギー効率23%の特性を得ることができた。また、高効率システム開発のための、補機動力低減の方策について検討を行い、補機損失を100W程度に抑えられる見通しをつけることができた。これにより目標としたシステム全体のエネルギー効率20%を達成できる目処がついた。

研究期間:平成14年~

研究参加企業:(株)ユアサコーポレーション

概要

平成14年度研究成果報告会での評価/質疑応答

軽部委員長
メタノールと水を混ぜて、リサイクルして使うというが、どうやってその割合をコントロールしているのか?何かセンサーを使っているのか?

研究参加企業
燃料濃度のセンシングは難しい技術だが、数種類の検知の方法が提案されている。当社でも独自のセンサーを使っている。

軽部委員長
濃度比が厳密にピタッといかないと出力に影響するのではないか?かなり厳密なセンシングがないと安定的な出力が得られないのではないか?

研究参加企業
センサーの精度の問題と、循環させるシステムを考えているので燃料タンクの大きさ、量も絡んでくると考えている。

軽部委員長
水素、酸素型の普通の燃料電池と比較すると直接メタノール燃料電池は何がメリットか?

研究参加企業
改質器が不要であり、システムとしてシンプルなものになる点が一番大きなメリットである。

軽部委員長
コスト的にはどの程度か?

研究参加企業
数百万円/キロワットかかると思うが、その10分の1位を狙ってコスト削減していきたいと考えている。

軽部委員長
50万円では成り立たないのか?

研究参加企業
非常に難しいと思われる。

軽部委員長
ナノテクを使うことは考えていないのか?

研究参加企業
触媒開発等で、そのような取り組みは行われている。当社でも触媒等の材料開発も並行して進めている。

春田委員
60℃が運転温度ということだが、このように低い温度の場合、メタノールの酸化と酸素の還元とどちらの方が速度的に問題になるのか?酸素の方もかなり過電圧がかかるのではないかと思うが。

研究参加企業
定量的には測定できていないが、酸素の方の過電圧も問題と考えている。

春田委員
メタノールの直接電極酸化の場合も電圧、電流曲線から見て、CO被毒の現象はあまり起こっていないという電極ができているのか、それともCOがある程度白金にくっついて性能が低下した状況での運転ということになるのか?

研究参加企業
メタノール直接酸化の場合、常にCOの被毒反応と電極反応が競合反応として進行することになる。

春田委員
白金の表面のCO吸着は、温度によってかなり違うと思うが、60℃に設定しているのはどういう理由か?90℃にしない理由は何か?

研究参加企業
スタックの特性だけを考えるのであれば、90℃で運転するほうがよいデータが得られる。しかしシステムとして動かすことを考えると、燃料の濃度、量等の管理の問題が大きくなり、そのバランスを考えて60℃とした。

原口委員
メタノールは人体に有害であるが、漏れないような安全対策はしているのか?

研究参加企業
安全性については、十分に確認を行っている。この燃料電池システムを用いて堀江健一さんが太平洋横断を計画された際、事前に、ヨットのキャビンという大変狭い場所で運転を行い、その安全性を確認した。実際の航海でも、もちろん問題は無かった。燃料は、ビニールのパックに一日分ずつ小分けして日数分積んでいった。

軽部委員長
太平洋横断に使用したメタノールは使い捨てか?

研究参加企業
燃料はシステム内を循環させ、不足分を追加するようにした。

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