ここから本文です。
掲載日:2017年8月4日
毎年夏休み期間を利用し、中国天津市の高校生、アメリカロングビーチ市の高校生、四日市市の高校生が交流を行う「地球環境塾」(主催、四日市市)が今年も始まりました。
今年度の地球環境塾(7月31日~8月7日開催)のテーマは「STOP! 地球温暖化 ~将来に向けて私たちができること~」です。
8月3日に見学に訪れたのは、ICETTから約1キロのところにある「高岡配水池小水力発電所」です。配水池とは、浄水場からパイプで送られてきた水をいったん貯めてからポンプで各家庭に送り出す施設のことですが、ここ高岡配水池では三重県企業庁水沢浄水場から高岡配水池までの総落差85メートルを利用し、水車を回し発電しております。
その落差から生まれる水圧は、これまで不要なものとして水道管に設けたバルブを絞り、消滅させていました。しかし、平成19年4月に小水力発電機を設置した事で、未利用の水圧エネルギーから電気を作ることが出来ました。一般家庭での消費に換算すると約350世帯分を発電しており、電気は全て電力会社に買い取ってもらいます。さらに設置にかかった費用も10年で採算をとることができました。
案内していただいた四日市市上下水道局の方によると、この高岡配水池のように浄水場からの水道水を使った発電方法は全国的にもまだ10~20件と少なく、三重県でもここ1件だけだそうです。設置できる立地や条件がそろうのが難しいとの事でした。しかし、無駄に捨てられているエネルギーを有効利用できる小水力発電は、地域密着型の発電としても注目されており、他にも河川や農業用水、工業用水等を利用した発電と、地域の人が知恵と工夫を出し合い、徐々に広まってきております。
施設を見学した高校生達は、一般的な水力発電との違いを知ると大きくうなずいたり質問するなど見学の意図が伝わった様子でした。四日市市上下水道局の方には貴重な経験をさせていただき、有難うございました。
コンクリートで覆われた給水槽の上にて
小水力発電機