【報告】令和7年度 四日市市委託事業「天津環境交流事業」を実施しました。
概要
四日市市と中華人民共和国天津市は、昭和55年の友好都市提携以来、様々な分野で交流を続けています。ICETTでは、その交流の一環として、天津市が抱えている環境問題の改善を目的とした研修を四日市市から受託し実施しています。友好都市提携45周年となる今年は、「水環境汚染防止」をテーマに来日研修を行いました。
背景と目的
天津市では、急速な経済発展の一方で、多くの環境問題が発生しており、その改善が喫緊の課題となっています。本事業は、天津市生態環境局等の職員が日本の環境保全技術や管理手法等を理解し、天津市の環境改善に役立てることを目的としています。
内容
- 研修期間:令和7年11月10日(月)~11月13日(木)
- 研修員:天津市生態環境局等の職員 計6名
研修の冒頭では、研修員と四日市市職員は、両市の水環境保全に関する取組等について意見交換を行いました。両市の取組の共通点や相違点を知る貴重な機会となりました。
四日市市職員による講義では、日本の水質汚濁防止法をはじめとする関連法令や排水に対する規制基準や、公共用水域における水質モニタリング体制等、研修の基礎となる知識を得ました。
また四日市公害と環境未来館を見学し、四日市公害の当時の様子や改善に至る取組の経緯を学びました。さらに市内企業を訪問し、水環境汚染防止技術や各社の取組等について、講義および見学を通して多角的な視点から理解を深めました。


展望
中国では、国家レベルで水環境汚染防止に向けた政策が推進されており、例えば「水十条(Water Ten Plan)」と呼ばれる水質汚染防止行動計画を通じて、2030年までに段階的に水質改善を実現することを目標に掲げています。
研修員が、本研修で得た知識や経験を日々の業務に活かし、天津市の水環境汚染防止と改善に向けた具体的な取組をさらに推進していただくことが期待されます。
またICETTでは、今後も両市の環境分野での継続的な交流を支え、相互の発展と環境保全に貢献してまいります。
なお、本研修にご協力を賜りました皆様方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。



