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【パラオ通信Vol.9】小学校での分別排出活動

 ICETTがパラオで実施しているJICA草の根技術協力事業「パラオ国バベルダオブ島における分別排出システムの普及促進事業」の近況をお届けします。

小学校で分別排出活動を開始
 本プロジェクトの対象地域であるパラオのバベルダオブ島には全部で8校の小学校があります。今回のパラオ通信では、学校での資源の分別排出活動の様子をお伝えします。 
 2025年の2月から、8つの小学校の1年生から8年生(日本でいう小学1年生~中学2年生)の子どもたちが参加して、プラスチック、金属、紙の分別に取り組んでいます。(なお、パラオには中学校がなく、1~8年生まで小学校に通ったあとは高校生になります。)

 各教室に置いている容器に子どもたちが資源を入れて、それを担当の子どもが回収して回り、各校に1つ設置した「資源回収ステーション(以下、ステーション)」まで持って行きます。

 学校に設置したステーションは2種類あります。一つは、地域に設置したステーションと同じ「箱型」のもの(左の写真)、もう一つはパラオに多くある廃タイヤを使った「タイヤ型」(右の写真)です。2種類の内、各学校に適したステーションを選び、設置しました。

    マルキョク小学校のステーション
    アイメリーク小学校のステーション

 
 現在は、週に1回、トラックが来て各学校をまわり資源を回収しています。回収の際には、それぞれの資源の重さを計って記録することになっています。学校では紙ごみの排出量が多いため、紙の2R(リデュース・リユース)にも取り組んでおり、日本で一般的な「裏紙の活用」も始めています。

子どもたちによる分別排出活動のようす

   アイメリーク小学校
   アルモノグイ小学校
   ガラード小学校
教室ごとに置かれた紙の資源ボックス

 

小学校対抗の動画コンテスト開催
 2025年の2月には、分別排出活動に関する動画を学校ごとに作成してコンテストを開催しました。動画には、生徒が出演し、学校での活動のようすや正しい分別方法などを知ることができる動画になっています。見事入賞に輝いた3校には、副賞として各受賞校が要望する文具が教育省より贈呈されました。優秀作品は下記リンクからご覧になれます。

1位:マルキョク小学校 https://www.facebook.com/friends.pnms/videos/1325880715169969
2位:アイメリーク小学校 https://www.facebook.com/friends.pnms/videos/1208557220650940
3位:イボバン小学校 https://www.facebook.com/friends.pnms/videos/2676951712695921

    イボバン小学校の動画から一部抜粋

表彰式のようす

        マルキョク小学校
      アイメリーク小学校
         イボバン小学校

 小学校でのこれらの取組が、子どもたちを通じて家庭へと広がり、家庭や地域での分別への関心や実践を促すきっかけとなっています。パラオの未来を担う子どもたちが、環境問題について主体的に考え、行動できるようになることを期待しています。

【ひとことパラオ日記】
 ある時、パラオ人と外を歩いていると、「これSakura(桜)だよね!」と言われて見上げると、赤い花をつけた大きな木がありました。これは、日本でいう桜の木ではない、と伝えると彼はとても驚いていました。その時は、彼の勘違いだと思っていたのですが、別のパラオ人と話している時に同じようなことが2回ほどありました。
 そこで話を聞いたところ、実は、パラオでは、フレームツリー(亜熱帯地域に多くある樹木)という木を「Sakura」と呼んでいるということが分かりました。でも、別のパラオ人が「日本に白い花が咲く時期に行きたい」と言っていて、それがソメイヨシノのことだったときには、「あれ?」と少し混乱しました(笑)。
 パラオ語には日本語由来の言葉が多くありますが、本来の意味や使い方が少し違う使われ方をされていることもあります。そんな時、昔の日本人がパラオで日本語を教えたとき、どんな気持ちだったのだろうと想像することがあります。
 言葉は文化を映す鏡とも言われます。「Sakura」という言葉ひとつにも、パラオと日本の歴史や人々の思いが重なっているのかもしれません。

パラオで「Sakura」と呼ばれているフレームツリーの木

       

 次回のパラオ通信をお楽しみに!

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