【報告】四日市市委託事業 令和7年度高校生地球環境塾を実施しました。






概要
ICETTでは四日市市からの委託事業として、高校生を対象とした「地球環境塾」を開催しました。令和7年度は「気候変動の緩和と適応~地球温暖化防止への取組~」をテーマとし、7月28日から8月4日までの8日間で実施しました。
背景と目的
毎年夏休み期間中に四日市市の友好都市である中国天津市と、姉妹都市である米国ロングビーチ市の高校生を四日市市に招き、四日市市の高校生と共に環境問題等について研修及び意見交換を行い、相互理解を深める機会を提供しています。これにより、次世代を担う青少年が国際的な視野から環境について考え、各都市における環境保全活動の活性化につなげることを目的としています。
内容
約1週間のプログラムでは、様々な企業や施設の協力を得て、講義や施設見学を行いました。ご協力いただいた企業や訪問先は次の通りです。
- 四日市公害と環境未来館
- 四日市市立博物館
- 三重県気候変動適応センター
- 日産自動車株式会社
- 四日市市クリーンセンター
- DIC株式会社
- 井村屋グループ株式会社
- 三重大学大学院 生物資源学研究科 附帯施設水産実験所
- 名古屋大学大学院 環境学研究科
三重県気候変動適応センターによる講義では、気候変動の緩和と適応についての基礎知識を学びました。企業訪問では、気候変動の緩和策、適応策をそれぞれご紹介いただき、様々な取組を、講義・見学を通して学ぶことができました。
また、3都市が港湾都市であるという共通点にも着目し、鳥羽市にある三重大学の水産実験所では、地球温暖化が海洋環境に与える影響や、ブルーカーボンに関する最先端の研究について学ぶ貴重な機会となりました。












本事業は文化的な国際交流を深めることも目的の一つです。今年度は、「日永うちわ」作りと華道を体験しました。株式会社稲藤にご指導いただいた「日永うちわ」作りでは、江戸時代から続く三重県の伝統工芸品に触れるだけでなく、「日永うちわ」が環境に優しい暑さ対策として活躍することを学びました。
また、四日市商業高校華道部にご協力いただいた華道体験では、日本の伝統文化を学ぶと共に、同年代の高校生と交流を深める機会となりました。



成果と展望
研修最終日には、各都市混合の2チームに分かれて成果発表を行いました。参加者たちは、講義や見学を通して気候変動の緩和策と適応策について理解を深め、地球温暖化防止に向けて、自らが取り組むべき環境保全の具体策を発表するなど、大きな成長を遂げました。また、両チームの発表後には、三上教授より講評をいただき、さらなる視点や今後の取り組みに向けた貴重なアドバイスを頂戴しました。



今回の地球環境塾で結ばれた友情を通して、各都市の未来を担う高校生たちが今後も交流を継続し、友好都市天津市と姉妹都市ロングビーチ市と四日市市の環境問題の改善、そして友好の架け橋となる人材として活躍されることを祈念いたします。
なお、本研修にご協力を賜りました皆様方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。