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掲載日:2024年8月27日
ICETTでは四日市市からの委託事業として、高校生を対象とした「地球環境塾」を開催しました。令和6年度は「ネイチャーポジティブの実現を目指して~生物多様性保全について考えよう~」をテーマとし、7月29日から8月5日までの8日間で実施しました。
毎年夏休み期間中に四日市市の友好都市である中国天津市と、姉妹都市である米国ロングビーチ市の高校生を招き、四日市市の高校生と共に環境問題等について研修及び意見交換を行い、相互理解を深めることにより、次世代を担う青少年が国際的な視野から環境について考え、各都市において環境保全活動の活性化につなげることを目的としています。本年度で16回目の開催となりました。
約一週間のプログラムでは、様々な施設や企業などを訪問しました。主な訪問先は次のとおりです。
(楠地区まちづくり検討委員会 森 正一会長
NPO法人四日市ウミガメ保存会 下田 菜生会長)
(三重県立桑名高等学校 丹下 浩教頭)
上記のプログラムに加えて、生物多様性保全の基礎を学ぶため、四日市大学環境情報学部の野呂特任准教授の講義を受講し、大学構内でのフィールドワークも行いました。センサーカメラの回収とそのカメラ映像を確認し、私たちが生活する身近な場所でも、様々な生物が生息していることを確認できました。また外来生物問題では自国では希少な生物でも、他国では駆除の対象となりうる等、世界中の人に関係する問題として深く捉えることができました。
また、本事業は文化的な国際交流を深めることも目的の一つです。四日市商業高校華道部に協力していただき、華道体験を行いました。参加者は、日本の伝統文化を学びながら、同年代の高校生と国際交流を行うことができました。
一週間の研修の成果を発表する「成果発表会」では、参加高校生たちは各都市混合の2チームに分かれ、世界の生物多様性保全を推進するために、今後、各都市において自分たちが取り組むことを提案しました。また、発表後には、名古屋大学大学院環境学研究科の長谷川明子特任教授に講評と講演「ネイチャーポジティブ~私たちの行動へ~」を頂き、参加した市民の方と共に生物多様性保全についての理解を深めました。
一連のカリキュラムを通して、参加者たちは生物多様性保全に関する知識を習得するだけにとどまらず、それらの目標を達成するために、各都市において今後自分たちが取り組んでいきたい具体的な環境保全の取り組みを提案するなど、大きな成長を見せました。
今回の地球環境塾で結ばれた友情を通して、それぞれの都市の未来を担う高校生たちが、これからも交流を継続し、近い将来、友好都市天津市と姉妹都市ロングビーチ市と四日市市の環境問題の改善、そして友好の架け橋となる人材として活躍されることを祈念いたします。
なお、本研修にご協力を賜りました皆様方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。