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明日の地球のために

ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 令和元年度の事業 > 【報告】中華人民共和国「天津セミナー」国内受入研修

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掲載日:2020年3月16日

【報告】 令和元年度 中華人民共和国「天津セミナー」を実施しました。

概要

四日市市と中華人民共和国天津市とは、1980年の友好都市提携以来、様々な分野で交流を続けています。その交流の一環として、当財団では1993年から、天津市が抱えている環境問題の改善を目的とした研修を四日市市から受託して実施しています。これまでに136人が四日市市での研修を受講し、一方天津市でのセミナーには1,036人が参加しています。2019年度は、「水環境の改善」をテーマとして、天津市でセミナーを開催し、四日市市で研修を行いました。

 

背景と目的

天津市では、著しい経済発展を遂げる一方で、多くの環境問題が発生しており、その改善が喫緊の課題となっています。そのため、天津市生態環境局の職員等が日本の環境技術や管理手法を理解し、天津市の環境改善に役立てることを目的として、本事業を実施しました。

 

内容

1) 天津市でセミナーを開催

2019年10月9日、10日の2日間、天津市内でセミナーを開催し、天津市の生態環境局や研究者等67名が参加しました。セミナーでは、天津市の専門家が天津市の水環境の現状について発表し、日本側の専門家が「水環境の保全に関する制度」、「汚濁化した閉鎖性水域の水環境再生」、「沿岸部の工場施設におけるレスポンシブルケア活動」について発表しました。また、2日目の最後のセッションでは、発表内容に関する質疑応答を行いました。

環境保全セミナー

環境保全セミナーの様子

 

2) 国内受入研修

日本国内で実施した研修には、2019年11月10日から11月23日までの14日間、天津市生態環境局職員など6人が参加しました。研修では四日市市職員から現在の環境行政の取組みについて学んだ後、日本の水質汚濁防止に関する法制度や技術について学習しました。その他にも、企業や公的機関を訪問し、水質保全技術に加えて環境教育や企業の責任などについても学びました。さらに研修員は、尼崎運河に赴き、10月のセミナーで学んだ閉鎖性水域における水環境再生の技術について実際に見学したり、大阪府内の企業や水道局において、水処理の技術や下水再生水複合利用事業について学びました。

国内受入研修 

国内受入研修の様子

 

成果と展望

天津市での環境保全セミナー、及び国内受入研修の参加者からは、以下のような意見が寄せられました。

(現地セミナー)

・水環境改善の業務を行う上で、広範な理解を得ることができた。自身の業務を行う上で、非常に参考になった。

・政策面の紹介のみならず、実例についても解説があり、大変勉強になった。汚染防止事業は持続可能であると認識した。

・中国側と日本側の様々な視点から検討を行い、両国の環境改善の目標と対策は、かなり合致していることがわかった。

 

(国内受入研修)

・研修は、理論と実践が組み合わせられており、内容が豊富で分かりやすく、とても満足している。

・汚水・雨水処理について全面的に勉強することができて、見識が高まったと感じる。

 

2018年に中国中央政府の旧環境保護局と他部の環境分野とが統一され、生態環境部に格上げされたことに代表されるように、中国は国全体として環境改善に力を入れており、本事業にかかる期待は益々高まっています。今後も天津市の問題に即したテーマを取上げ、天津市の環境改善の一助となるような事業を目指します。