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明日の地球のために

ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 平成28年度の事業 > 日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)によりインドネシア共和国招聘事業を実施しました。

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掲載日:2017年3月9日

日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)によるインドネシア共和国招聘事業を実施しました。

  国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が展開する日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)では日本への短期訪問を通じて、未来を担うアジア地域及び日本の40歳以下の青少年を対象とした交流事業を実施しています。ICETTでは同事業の助成を受け、水質管理や廃棄物管理に課題を抱えるインドネシア共和国より、大学講師、大学院生及び行政官を招聘し、10日間に亘る交流プログラムを実施しました。

背景

 日本と同様に多くの島から構成されたインドネシア共和国では、近年の著しい経済発展を背景とした都市部への人口集中や内需拡大、インフラ整備の遅れに伴い、水質汚濁、大気汚染、廃棄物増加などの様々な環境汚染が顕著化し、早急に解決されるべき課題として各地での取り組みが始まっています。

   本事業では在大阪インドネシア共和国総領事館のご協力の下、同国各地より環境管理を対象とした研究活動を行う大学講師、大学院生、行政官ら9名を招聘し、同国内でも関心の高い水質管理及び固形廃棄物管理を中心とした地域の環境管理をテーマとした交流プログラムを2017年2月20日(月)~3月1日(水)に実施しました。

 

研修概要

 プログラムの冒頭では日本の水質管理、固形廃棄物管理に関する法制度を学び、生活を取り巻く環境や社会ニーズの変化に応じて基準が段階的に厳しいものとなり、新たな制度や取り組みが徐々に構築されてきたことを理解しました。

 下水処理施設や一般廃棄物及び産業廃棄物の処理施設では家庭や工場などの施設から排出される排水、廃棄物の処理過程を見学し、用いられる技術や最終的にどのような状態で自然界や循環システムに放出されるべきかについて同国の現状と比較しながら意見交換を行いました。

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下水処理施設の見学

一般廃棄物処理施設の見学

                                   

  また、自治会による資源物の分別収集活動の見学やICETT近隣の一般家庭への訪問では、住民の努力が廃棄物の減量やリサイクル化促進に対して重要な役割を果たし、より良い環境づくりへと繋がっていることを実感したようです。

 

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地域住民による分別回収への取り組み

   

 さらに、鳥羽市答志島では市外から流れ着く多量の漂着ごみに悩みを抱え、行政のみならず地元住民主導による撤去作業や問題を根本から解決するための市外への呼びかけ等の取り組みが行われています。インドネシア共和国の沿岸部でも同じ課題に直面しており、地元住民との意見交換では、ごみの排出源となる他の自治体住民や企業への現状周知の手法、主要産業である養殖業への影響が最小限となるような対策、対策に取り組む上での苦労や新たな課題などについて熱心な意見交換が行われました。

 

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漂着ごみに関する意見交換

  

 滞在期間中には茶道体験や一般家庭への訪問を通じて日本文化への理解を深めました。

 

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茶道体験

在大阪インドネシア共和国総領事館へ表敬訪問

                                  

 生産年齢世代が人口の多くを占める同国では、未来を担う若い世代が経済発展と良好な環境が両立された社会の構築に積極的に取り組んでいます。本プログラムでの経験が今後の研究活動に活かされ、同国のみならず、同じ課題を抱える諸外国の明るい未来に繋がることが大いに期待されます。

 本事業に多大なご協力を賜りました在大阪インドネシア共和国総領事館、県内地方自治体や企業、漁業関連機関の皆様に心より感謝申し上げます。