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掲載日:2011年10月12日

  平成23年度JICA「公害防止と地域環境管理」研修を振返って

平成23年度の「公害防止と地域環境管理」研修は、8月21日の来日に始まり、10月6日の帰国で幕を閉じました。アルジェリア、ブラジル、ガーナ、モルドバ、マケドニア、タジキスタン、ヴェトナムと世界のさまざまな国から研修に集まりました。

 

立入検査

この研修は、水質汚濁問題を主題として、従来型の法規制や罰則的手法ばかりの公害防止対策でなく、中小規模の企業・工場やその周辺地域が自発的に環境管理能力を向上していけるようなハード・ソフト両面での公害防止策の知識・実施例を盛り込んだ内容といたしました。 

<立入検査の講義風景>

  

管理者制度

法規制や制度など法制面の講義、公害防止や測定など技術面の講義と座学が十数コマ、大小さまざまな排水処理施設の見学や、NPOや自治体主導の環境管理活動の視察や体験活動参加など、野外学習も十数コマとなり、まさに頭と体を使ったハードな1ヵ月半のトレーニングとなりました。

 

<公害防止管理者制度の講義風景>

  

排水処理

また、研修期間中、閑散な鈴鹿山麓に蟄居するだけでなく、京阪神の喧騒な大都会へもトレーニングの場を移し、日本のいろいろな面を見聞していただきました。京阪神滞在中には、場所移動を出来るだけ公共機関を利用するよう計画し、日本の電車の切符(自販機)の買い方、自動開札機の通り方、電車の乗り換えなどを数回経験していただきました。単なる借り上げバスでの通りすがりの観光客でなく、自ら苦労しながら場所移動もし、滞在中に日本にいた実感をしっかりつかんでほしく、自らの手足を使った移動を行ないました。 

<中小規模工場排水処理施設の見学風景>

 

彼らは不安げに見ず知らずの日本人の隣に座って車中の時間を過ごしていましたが、異国日本にいる実感を掴み取ったかと感じております。京阪神滞在中には、休日に京都、大阪神戸の街中を見物する機会も作り、有志グループで出かけました。京都のお寺参りや道頓堀の雑踏歩き、電車内海上からの神戸の遠景見物などと、まるで中高校生の修学旅行のようなコマぞろいでした。雑踏の中で迷子にもなりましたが、おぼつかない日本語でも何とか苦難を切り抜けた様で、再会出来てホッとする事もままありました。 ともかく休日は珍道中で、その後の武勇伝(「私は・・・して仲間の居場所を見つけた」といった類の話)は枚挙の暇がありませんでした。でもこれも結果ヨシのいい思い出かと思っています。珍道中で日本人の親切さにも気づき、研修項目外での日本贔屓も思わぬ儲けです。   

<珍道中(電車内)>

 

  

閉講式

京阪神旅行よりICETTに戻ってからは、研修も余すところ1週間強となり、地域環境管理の見学が目白押しのラストスパートとなり、3日間で数箇所を見学するハイペースで駆け抜けました。そして子供の夏休みの宿題の追い込み同様、レポート発表会前の休日は、一日中部屋に閉じこもりレポートを仕上げました。一部の研修員ですが、彼らの発表レポートの中で、地域住民を巻き込んだゴミの分別や躾のような環境教育の大切さを謳っており、地域環境管理にも幾ばくかは目を向ける姿勢が読み取れ、研修計画者としてもほっとしております。 

<閉講式の記念写真>

 

彼らの帰国後の行動計画は、締めくくりの発表レポートに記載され、6ヵ月後に成果(進捗状況)が連絡される仕組みとなっています。何らかのレスポンスがあることを期待しながら、この研修の報告を締めくくらせていただきます。

最後に、紙面を借りて、講義や見学に協力いただいた関係企業や組織(団体)の方々に、皆様のご協力のおかげで無事に研修が終了できたことを御礼申し上げます。

(谷口)