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掲載日:2019年11月14日

 【報告】JICA「パラオ国 ガッパン州イボバン、アイメリーク州モンガミにおける官民協働ごみゼロ社会推進事業(地域活性化特別枠)」の実施

三重県と公益財団法人国際環境技術移転センターは、パラオ国公共基盤・産業・商業省公共事業局(BPW)、高校、その他協力団体などと共に、JICA草の根技術協力事業として2018年8月20日~2021年8月19日までの3年間で標記の「官民協働ごみゼロ社会推進モデル事業(地域活性化特別枠)」を計画・実施しています。

事業の目的:

 このプロジェクトは、パラオ国公共事業局(BPW)によって選ばれた2つの地域、ガッパン州イボバン地域とアイメリーク州モンガミ地域を対象として実施します。

 パラオ国では、ごみの減量化のためにJICAと共にJ-PRISM2(太平洋地域廃棄物管理改善支援プロジェクトフェーズ2)による「3R+Return」という施策に基づく廃棄物リサイクルシステムを実施しています。「Return」という言葉はペットボトル等飲料容器を主に飲料の輸出国やその他の国等に船で運び、リサイクル物として活用されること、また生ごみも適切に収集し、コンポスト化して国内で利用することで削減することを意味しています。しかし、コロール州以外では、まだ適切な分別やリサイクルは行なわれていません。この2つの対象地域の住民がこの事業により活動し、住民の努力でリサイクル可能物やその他の廃棄物を適切に分別・収集することで、対象地域がより清潔になるばかりでなく、近隣の地域に対しての良いモデルとなるように活動します。また、この事業では現在のコロールにある処分場、「M-dock」の閉鎖プランと共に、アイメリーク州に建設を進めている新処分場の開始に向けてJ-PRISM2とも連携協力関係を築いていきます。

事業の活動内容 

 この事業では、対象地域のイボバンとモンガミの住民代表には、より持続的な活動としてこのプロジェクトの住民の中から「ごみゼロ社会推進を推進するワーキングチーム」を設立し、この活動のリーダーとなってもらっています。

 また、対象地域の住民だけでなくパラオの将来を担う高校生にも廃棄物の減量や再生化を考えてもらいます。そのために、高校生には、基本的な廃棄物処理の知識を伝え、廃棄物処理場(埋立処分場)での見学会を実施し、今後のパラオの廃棄物について一緒に考える機会を持ちました。また、ポスターコンテストを通じてPR活動も行ないました。

 今年度は、ごみを削減するためにBPWと一緒に現在、飲料容器としてすでに回収システムが順調に進んでいるもの以外に、缶詰の缶、ガス缶、プラスチック製の容器、飲料以外のガラス製容器、紙類(段ボール、新聞、コピー用紙)など5種類の回収を開始します。今後は、各地域に4ヵ所ずつリサイクルステーションの場所を決定し、その中に網製のかごを分別するものの種類毎に設置する予定です。

 このプロジェクト実施期間中、ごみゼロ社会推進するワーキングチームのメンバーと対象地域の住民は様々な活動の中から「地域分別リサイクル計画」を作成し、ワークショップにて活発な討論を行い、自ら削減量等もモニタリングする予定です。

 そしてこのシステムはパラオ国政府の方針と連携して、将来的に政府が分別リサイクルを新方式で実施する際にもこの経験を生かして住民が政府とともに活動していくことを目指します。

 

パラオの高校生

 

モンガミ

 高校生による廃棄物処理場見学会

 モンガミ地域住民集会

(喜瀬・田村・前田)