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ホーム > 研修・指導 > 海外研修・技術指導 > 令和2年度の事業 > 【報告】JICA「パラオ国 ガッパン州イボバン、アイメリーク州モンガミにおける官民協働ごみゼロ社会推進事業(地域活性化特別枠)」の実施

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掲載日:2021年4月15日

【報告】「パラオ国 ガッパン州イボバン、アイメリーク州モンガミにおける官民協働ごみゼロ社会推進事業(地域活性化特別枠)」の実施

三重県と公益財団法人国際環境技術移転センターは、パラオ国、公共基盤・産業・商業省公共事業局(BPW)、高校、その他協力団体などと共に、JICA草の根技術協力事業として2018年8月20日~2021年8月19日までの3年間で標記の「官民協働ごみゼロ社会推進モデル事業(地域活性化特別枠)」を計画・実施しています。

 

背景と目的

パラオ共和国は、約488m2程の国土面積に人口は約2万人という小さな島嶼国で、美しい海に囲まれています。多い時には年間8.5万人*1もの観光客が訪れることもあり、廃棄物量の削減が大きな課題となっています。

本事業では、パラオ国公共事業局(BPW)と選定したガッパン州イボバン地域とアイメリーク州モンガミ地域を対象として住民によるリサイクルを推進し、アイメリーク州に建設され、2月から稼働した新最終処分場に投棄する廃棄物の減量化を目指しています。*1パラオ政府観光局資料

                                                               palau

内容

1)現地での活動について

2020年3月にJICA中部オフィシャルサポーターの空木マイカさんを含む調査団がパラオを訪問しました。ICETTも三重県職員と共に渡航し、対象地域のイボバンとモンガミで現地活動を行い、住民が分別する様子や学校での活動を指導しました。その時の様子についてはJICAの広報として映像が作成され、以下のURLからご覧いただけます。 JICA広報映像-今 地球の楽園で-パラオの環境保全活動【日本とパラオの絆】https://www.youtube.com/watch?v=x9knYtDGu-Y 

2)事業の進捗

本事業では、2地域8ヶ所に設置したリサイクルステーション完成後の2019年1月から地域住民が食用缶、ブタン缶、ガラス類、プラスチック類、紙類を適切に指定の網かごに分別しています。それらを回収し、適切にリサイクルに回すことで処分場に投入する量を削減できるように取り組んでいます。カウンターパート(C/P)のBPWは、毎週、回収及び計量を行い、データを継続して取り続けています。分別した物が適切にリサイクルされるとその約25~50%が削減できると想定されます。この取り組みで最終処分場に投入される量が確実に削減されていくと、処分場の延命化も可能になります。  この分別がまだ始まったばかりのパラオでは、これからの住民の協力が削減の大きなポイントとなり、各家庭での分別を確実にしていくことが求められます。 対象地域の1つ、イボバン地域にあるベラウモデクゲイ高校(BMS)は寄宿舎制の学校で、生徒はほとんどの時間を校内と校内にある居住区で過ごします。BMSは、生徒自身が本事業で設置したリサイクルステーションで分別を行っています。この事業を開始してから、イボバン地域にあるイボバン小学校の先生も授業の一環として生徒と共に学校から出される紙類などの資源物を分別し、リサイクルステーションに持ち込むなど、活動は教育としても生かされています。また、小学生や高校生には、本事業への協力として、年一回、ポスターコンテストを実施し、3Rを推進する絵画を描いてもらっています。選考された素敵な絵は、分別カレンダーに掲載されています。2020年にも第2回目のポスターコンテストを実施し、2021年3月には12名の優秀な作品が選ばれ、オープンしたばかりの新処分場で、オビヤン大臣、カウンターパートのBPW局長、州知事、JICAパラオ事務所長を迎えて、入賞者の表彰式が行われました。住民には、これらの絵が掲載されたカレンダーが配布されています。

           palau1              palau2

             三重県職員による環境啓発講義(BMS)                ポスターコンクール表彰式

 

成果と展望

本事業では、C/PのBPWと共に住民集会を開催し、住民にもよく進捗説明を行い、また住民からも発生した問題点や意見の聞き取りをしながら事業を進めています。記録したデータについては、どの位の量が排出され、そのうちどれほどリサイクルに回すことができたか等の情報を、BPWが協力している住民に周知することで結果を示し、やる気を維持して引き続き分別が行われるように住民集会等でその報告も行っています。また、それらの分別・リサイクルを見ながら育っている子供たちにもその活動が自然と習慣づくことも期待して、できる限り活動に参画してもらい、将来的にはそれぞれが地域でリーダーになってもらえるようにと願っています。州内に新最終処分場が存在するモンガミ地域についてもイボバン地域と同じようにに分別・リサイクル活動を進めてもらっています。今後もBPWと協働して、さらに地域住民や子供たちが共により良い方法を見出して、この活動がパラオにしっかり根付くようにしていきたいと考えています。              

                                             

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                                                                                     事業の進捗フロー