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ホーム > 研修・指導 > 国内受入研修・技術指導 > 平成29年度の事業 > 【報告】平成29年度JICA委託青年研修「中南米/都市環境管理」研修を実施しました

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掲載日:2017年12月8日

平成29年度JICA委託青年研修「中南米/都市環境管理」研修を実施しました

10月5日に開講したJICA青年研修「中南米/都市環境管理」は、13日間の日程で10月17日に終了しました。

研修概要

 この青年研修は、JICAにより招聘された都市環境管理に携わる、35歳程度までの中南米7カ国の政府関係者及び環境関連団体職員10名が、多様な環境問題への対応を行ってきた日本の環境行政、地方自治体の環境管理手法・環境教育、民間企業の環境対策技術・社会的責任等について学ぶことにより、個々の能力向上に寄与するとともに、自国の都市環境の改善につなげることを目的に計画されました。 招聘された研修員はそのほとんどが責任ある役職につく中堅行政官であり、母国での基礎をさらに深め、日本の現状と公害克服の歴史を理解し、自国の課題解決のアイデアを得ようと活発な意見交換・交流が行われました。

内容

 研修は、水源及び河川流域の環境保全による生活改善にテーマをしぼり、水質保全及び廃棄物管理を中心とした法規制・管理手法に特化した研修カリキュラムとしました。 各国において管理レベルや手法に違いはありますが、各研修員はこれらを重要な課題と認識しており、みな高い参加意欲を持って臨みました。

 講義は座学で基礎知識を得た後に施設見学を行う形式で進めました。 日本の各種法体制を学び、企業の排水処理施設や共同排水処理施設、リサイクル施設、浄化センターの見学、さらに地方自治体の焼却施設、廃棄物最終処分場を見学し、排水や廃棄物の管理技術に加え、企業間の連携や、周辺地域への配慮の重要性などを理解しました。 また地方自治体の資源物リサイクル集積所やNPOによる琵琶湖の環境保全活動、地域住民に環境教育を行っている施設を見学することにより、住民の環境保全・リサイクル等に対する意識の高さに触れるとともに、環境教育の手法や市民参加型の地域活動の重要性を学びました。 研修中は悪天候の日もありましたが、研修員はみな熱心に見学していました。

 

開講式

 

北部浄化センター

開講式にて

雨の中北部浄化センター見学

 

未来館

 

資源部回収

四日市公害と環境未来館にて

菰野町永井地区公会所での資源物回収

 

 この青年研修では、日本の文化にも触れ、理解を深め、友好関係を築くという目的もあり、研修員は四日市市の茶室「泗水庵」で数寄屋造の建物の説明を聞き、立礼式の茶道を楽しみました。

 また、皇大神宮(内宮)では手水舎や参拝のルールを守りながら参拝を行っていました。 自由時間にはショッピングに出かけ、家族友人のためのお土産を購入しました。 着物を初めて着て喜ぶ研修員もいました。 週末には一部の研修員は東京へ行くなどそれぞれ余暇を楽しんでいました。

 

 

泗水庵

 

着物

四日市市泗翠庵にて茶道体験

はじめての着物体験

 

 JICA中部で実施した総括レポート発表会において、研修員から、日本では工業地区設計時に長期的な観点で環境汚染の未然防止策が考慮されていること、環境保護の意識が市民の習慣として根付いていること、企業が法律より厳しい基準を遵守していること、地方行政の権限が大きいこと、研究・教育が継続的に実施されていること等が印象深い点としてあげられました。 各研修員が、研修中に学んだことや日本の行政官、NPO職員、企業担当者らとの質疑応答等で得た様々な知識やアイデアを自国に還元し、役立てられることを期待しています。 最後に研修中ご協力いただきました皆様にはこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。

(奥田・前田)