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ホーム > 調査・研究 > 調査 > 平成27年度の事業 > JICA技術協力プロジェクト「中国大気中の窒素酸化物総量抑制プロジェクト」を終了しました

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Update:April 5, 2016

JICA技術協力プロジェクト「中国大気中の窒素酸化物総量抑制プロジェクト」を終了しました

事業背景

 中国では、経済活動の発展、自動車の増加に伴い、NOxの排出量は増加を続けています。このことから第12次5ヵ年計画(2011年~2015年)にて、主要汚染物質排出総量削減目標の指標の一つとして追加され、2016年より実施される第13次5ヵ年計画においても引き続き拘束性のある削減目標が設定されています。ICETTでは株式会社数理計画とのJV(共同事業体)にて専門家チームを結成し、NOx総量抑制について排出削減に係る技術面と政策・制度面の支援を通じて関連人材のキャパシティビルディング事業を2013年3月~2016年3月に実施しました。

概要

 本プロジェクトは中国におけるNOx抑制手法が改善されることを目指し、(1)NOx抑制に係る技術ガイドラインを作成し、それらが活用される、(2)大気汚染物質拡散シミュレーションを通してNOx抑制効果把握手法が改善される、の2つをプロジェクト目標として設定し、ICETTは目標(1)を達成に向けた以下の活動を担当しました。

ⅰ)モデル企業におけるNOx排出状況把握及び改善策の提案

 湖南省湘潭市にて技術ガイドラインの対象分野であるセメント分野、鉄鋼焼結分野および工業用ボイラ分野に関連する企業を選定し、NOxをはじめとする大気汚染物質の排出量の把握、排出状況に応じた削減対策の提案を行いました。企業は低コストで改修作業の少ない対策案から順次着手し、既に一定に効果が得られています。

 

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ⅱ)訪日研修

 中国国内で大気汚染防止の業務に従事する行政官を招聘し、11日間の訪日研修を実施しました。NOx抑制に係る法制度、地方行政の役割、排出源となる企業の取り組みについて学び、中国で摘要可能な抑制手法について検討を行う機会となりました。

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ⅲ)セミナーなどの開催seminar

 約3年に亘る本事業の実施期間中には中国国内行政官、NOx抑制重点産業に属する企業、環境保全設備を製造する企業などを対象にセミナー及び技術交流会を実施しました。技術交流会においては、NOx抑制技術を有する日本企業にもご参加いただき、中国でのNOx対策の現状や中国で摘要可能な日本の抑制技術について活発な意見交換が行われました。

 

 

 

ⅳ)技術ガイドラインの作成seminar2

 上述の活動を踏まえ、中国にて摘要可能なNOx抑制技術を技術ガイドラインとして取り纏めました。技術ガイドラインは中国においてNOx抑制の重点産業とされているセメント製造、石炭火力発電、工業用ボイラ、鉄鋼焼結・コークス炉を対象分野としました。作成にあたっては各分野の中国人専門家との技術ガイドラインの内容に関する検討会を開催し、中国にてより使用しやすいガイドラインとなるよう努めました。完成したガイドラインは技術ガイドラインの普及ワークショップにて企業の環境管理担当者や各地の行政官に配布され、国内への周知を図りました。

 

 本プロジェクトは2016年3月をもって終了しましたが、今後は中国環境保護部が中心となり、新たな規制等に基づき技術ガイドラインの内容が修正され、より現状に適した対策技術の導入が促進されることが強く期待されます。